第1回 とやまを元気にする「地域おこし協力隊研修会」2020/6/29開催

早くもR03年度を迎え、ご報告が遅れてしまいましたが昨年、R02年度は、地域おこし協力隊研修が全4回開催されました。
駆け足ではありますが、全4回の内容についてレポートをアップしていきます。

6月29日に開催された第1回目は、初任者研修として「協力隊活動のイロハ」をテーマに、(一社)岡山県地域おこし協力隊ネットワーク(OEN)代表理事 藤井裕也 氏を講師にお招きして開催。県内で活躍する地域おこし協力隊、行政職員など25名が参加しました。

第一部 講演「協力隊活動のイロハ」(13:35 ~ 14:35)講師:藤井裕也 氏

藤井さんの協力隊時代
大学卒業後、岡山県美作市地域おこし協力隊に着任(平成23年4月~平成26年3月)。
鳥取と岡山の県境にある地、高齢化率60~70%、10年間で300人がなくなった。
当時は今ほど協力隊制度が認知されておらず、活動らしい活動もできないままひたすら地区の草刈りをする日々。
地域の会議は進みが遅い▷ゆっくり進む。話し合いをしても何が決まったのか分からないほどスローなスピード。

現在の藤井さんの仕事
1) NPO法人 山村エンタープライズ代表理事
「あらゆる若者が希望をもって暮らせる地域づくり」
山間部でひきこもり・若者自立支援のための寮運営と就労プログラムの開発・実施(人おこし)。
2) 一般社団法人 岡山県地域おこし協力隊ネットワーク(OEN)代表
「協力隊卒業生と現役隊員による相互支援組織」
岡山県の地域おこし協力隊の卒業生及び現役隊員で組織。県単位での連携や相互支援を通して、協力隊を通じたより良い地域づくりを行う。
※岡山県内の延べ協力隊員数:約400人▷うち任期満期&県内に定住した協力隊数:162人▷
定住率は約6割。R02 年6月時点での岡山県内現役協力隊員は134人。
3)総務省地域おこし協力隊サポートデスク専門相談員
全国の隊員や行政職員からの相談に対応。

協力隊制度の趣旨
1) 地域を応援する立場
2) 定住
3) 公金を使うので自己実現はNG(協力隊、地域、行政、その三者の目指すところが「交わる」共益性をどう追求するか?

協力隊活動の本質
あくまで主体は住民、地域にある。地域力を上げるために、協力隊、行政、地域、この三者で取り組む。

地域によって異なる協力隊の位置づけ・任務
・コミュニティ支援▷地域の主体性向上のため地域住民を支援▷任期後、コミュニティ支援で独立or 就業
・起業ベンチャー▷創業準備、ベンチャー企業での研修、3年目はフルで起業準備▷
任期後、創業
・事業継承▷小規模事業所の後継者を増やす▷任期後、事業継承

地域おこし協力隊が来る前に
行政のやること
1)協力隊導入の目的を明確化
3) 他部署に対しても周知を行い、役場をあげて協力隊を受け入れる体制づくりを整える
4) 市の広報紙、ケーブルテレビ等を活用し協力隊の紹介、活動を広く周知する

協力隊が着任したら気をつけるポイント・確認しておくポイント
・財政措置 ・備品の取扱 ・労務(社会保険) ・産休育休 ・活動時間 ・兼業副業はokか
例)協力隊時代に作ったデザインロゴの所有権はどこにあるか(市役所のもの? 自分のもの?)
活動時間内にイベント等で稼いだ売上金は役場のものになる?など

協力隊の活動は税金を投入している
協力隊「これを買ってほしい」
行政「なぜ必要なのか?」説明が求められる

役場との会議の意義
協力隊と役場が定期的にミーティングを行っているケースは多いが、この会議はお互いの「情報交換の場」ととらえる。

(※この場で、藤井さんが「定期的なミーティングを行っているか」を隊員に向けて問いかけをしたところ、挙手をした協力隊はほとんどいなかった。富山県内の協力隊は役場との定期的会議を行っていない?)

行政との付き合いのポイント
1. 行政組織の性質
・担当職員は兼務である ・2-3年で異動 ・課長が決裁者である
2. 説明責任
・原資が税金である以上、税金を出している住民に説明責任がある
・住民ニーズがあるところ「共益性」のあるところ。
3. 行政のツボをつく
・地域の課題にアプローチした活動になっているかどうか▷地域の産業がなくなり、地域に元気がない状態にも関わらず「地域活性化」のイベントばかりやっている
・活動目標に対してその達成度▷地域イベントの参加者目標10人に対し、最初は2人だったのが今は8人になった!▷参加者人数の記録を取ることで達成度がわかる。
・活動による地域への効果、地域がどう変わったか?
▷観光ツアーを企画したら、町の観光資源の掘り起こしができ(①)、町に移住してくれる人ができ(②)、移住した人がカフェを開業することで(③)、地域に集いの場ができて活気が増した(④
) 測り方=各段階での実績、参加者人数
・投入したお金、時間は効果的に活用されたか?
▷活動によりメディアに掲載され、広報効果があった
測り方=掲載実績→掲載にかかる総額換算
    移住者や交流人口の増加→人数実績→税収の総額換算
・活動の効果は継続性、持続性があるか
▷協力隊が任期満了でいなくなったら、地域の特産品開発プロジェクトがなくなってしまった
測り方=活動を続ける資金、活動主体
4.データを駆使する
「RESAS」(地域経済分析システム)を活用。数字で課題を見つけて提案。データにものを言わせる▷
地域ニーズを客観的につかめれば、行政が動く理由ができる。

第二部:個別ワーク「協力隊員同士が横のつながりを作る」 ファシリテーター:藤井裕也 氏
(14:40~15:15)
自分のこれまでの人生を振り返りつつ、2 ・3年目の隊員は、これまでやってきた活動・取り組み、1年目の隊員は、この先、富山で実現したいこと、挑戦したい地域おこしのテーマ、などについてロードマップ(時系列)にまとめてもらう。その後、ワーク発表 持ち時間ひとり2分。自己紹介がてら各自の目標を発表。

第三部:現役協力隊による活動報告・意見交換
(15:15~15:25)
講師:黒部市地域おこし協力隊、小澤泰史氏
愛知県出身。2018年6月より着任、現在3年目。市役所との雇用関係:あり。会計年度職員 (嘱託職員) 拠点:黒部市役所

行政がやって欲しいこと(募集要項)18年3月時点
・地域の魅力情報の収集発信
・総合的な移住定住施策を推進する官民連携協議会(くろべで住もう移住定住サポート協議会)の運営事務

1年目初期(18年6月~)
着任1週間後、三日市商店街「やってみっか市」のお手伝い依頼
▷ 住居が商店街内で親しみを持ってくれた。 
  このあとクロベストリートマーケット(10月)など
▷ よく耳にした話「移住と関係ないからお願いしていいか分からない」
  自分としても移住にこぎつけられない。プライベートと仕事が公私混合

着任直後1ヶ月活動車なし、市から移住パンフレット作りを頼まれる。
▷ 先輩、市役所広報担当や地域おこし協力隊、担当職員に地域を案内してもらい教えてもらう、公平・平等という言葉に悩まされる。

「豊かな暮らし探検隊@黒部」発足
▷ 観光局、ハンターなどのメンバーと共に黒部をふるさとに、「大豆から作る味噌造り」を企画。
市公募提案型協働事業申請。企画・運営に携わる。

自分の経験から感じた活動におけるポイント
・地域を主語にする。
・地域に協力してもらっている。ペースを乱さない
・役所は役所の考え、地域は地域の考え 敵を作っても良いこと無し▷ この間をうまく取り持てるのが協力隊の役割。
・市役所の人とも仲良くすると繋がりがなお増える
・置かれた環境をうまく使う
 マイカーなし、車は公用でしか乗れない▷ 逆手にとって休日にチャリで移動
 中山間地域に出向いて変わったやつだと思ってもらうチャンス
・何かのタイミングで化学反応が起きる

任期後の目標
▷ 地域の方とともに地域の当たり前や特色を組み合わせて独自性を持たせ発信、地域内外をつなぎ一緒に稼いでいく