五箇山掘レッキング塾、3/21~23開催されました!

例年だと「なぎ畑(焼き畑)塾」でおなじみの五箇山。
R02年度は、夏に加えて冬の五箇山の暮らしを堪能してもらう「掘レッキング塾」が開催されました。

掘レッキングとは?と思ったあなた。
五箇山の名物、赤カブを雪の中から「掘り」起こす体験プログラムと、かんじきを履いての「トレッキング」を組み合わせた造語です。

初日は塾長の西さんによる、世界遺産、菅沼集落の散策からスタート。
西さんのご実家はまさにこの菅沼集落の中にあり、今もなお、この合掌造りで暮らしている人々がいます。世界遺産に登録されているゆえんは、単にこの「建物」ではなく、その中で今も暮らしが営まれている、という点が評価されているのだそう。今でこそ世界遺産ですが「子どもの頃は合掌造りに住んでいることが恥ずかしかった」と西さん。

初日の夜は、五箇山名物、報恩講料理をいただきます。すべて精進料理ですが、お豆腐、ゴボウなどどれも大きく食べ応えがあります。ご飯は最初、ほんの一口だけ供されるのがこちらの流儀。その後、お代わりしてくださいね、というスタイルです。

このご時世なので会話は極力控えめに、ひたすら食事に集中。その後、西さんが、この先、五箇山での観光業の展望について、熱くお話くださり、参加者たちは聞き入りながら、長い夜は更けていきました。

2日目はかんじきを履いてのスノートレッキングです。かんじきは、方向転換が難しいスノーシューと違って、簡単にバックできるなど小回りの利くのが特徴。まさに先人の知恵による生活道具です。
長くつの上からかんじきを装着し、一行は雪山へ。

今年は昨年に比べればそこそこ雪は降ったものの、断続的ではなく2,3回のどか雪。そのため雪が溶けるのも想像以上に早く、この日も、合掌の里周辺には雪はほとんど残っていない状態でした。そのため、西さんは当初の予定を変更して、雪が残っている山へわざわざ移動してくださりました。

スノートレッキングの魅力は、雪をクッションにして、普段なら登れないような急斜面も歩けること。ほぼ垂直に近いと思われる斜面もすいすい登りながら、途中、西さんが子どもの頃、よく仕掛けたというウサギの罠の仕掛け方を教えてくれたり、わさびを育てようと成長を楽しみにしていたら、誰かにごっそり持っていかれてしまったという話を聞いたり。

帰農塾の特徴は、様々なプログラムを行いながら、塾長さん自らがその活動の「目的」や「意義」「物語」などを語ってくれる点にあります。そのことで参加者はその活動の背景にある地元の方々の「思い」などを知り、さらにその土地への理解、活動への理解が深まるのです。

午後は赤カブ掘りからスタート。
本来ならば1mほどの雪をかき分けての赤カブ掘りの予定でしたが、雪が思った以上に溶けてしまい、地面うっすらが見えているような状況で赤カブ掘りとなりました。西さんから「自分で掘った赤カブはお土産にしてください」との言葉を受けて、皆さん、がぜんやる気に火がつきます。

この赤カブ、掘りたてを生でいただいたのですが、まるで梨のような瑞々しさと甘さがたっぷり。
聞くと西さんが子どもの頃、この赤カブをかじっておやつ代わりにしたのだとか。子どもの頃こんな赤カブに出会っていたらさぞかし幸せだろうな、と感じさせるような美味しさでした。

雪の白さと赤カブのピンク色のコントラストがまた絶妙です!

合掌の里のコテージをライトアップする作業を行います。
夕方からはあいにくの小雨模様でしたが、ライトに照らされた古民家は風情もたっぷり。雪が残っていればさぞかし幻想的な雰囲気になったでしょう。

2日目の夕食は山菜、ジビエを使ったお吸い物などの郷土料理。
この塾で食べることのできる西さん謹製、在来種の赤カブのお漬物の美味しさと言ったら!一度食べたら、市販されているものと明らかに違うその力強くも濃い味わいにファンになってしまうこと請け合いです。

夕食後は、こちらもお馴染み、東田あきらさんによる民謡「こきりこ節」の踊り。
もともと五穀豊穣を祈願した田楽から派生した「こきりこ」ですが、その高貴な衣装も見ごたえがあります。そして、どこか哀愁をそそるこきりこのメロディー。「ささら」と呼ばれる民具を鳴らしながら、体を大きく振ったりそのダイナミックな動きには、何度見ても感激してしまいます。

その後、藁で編んだ靴と蓑をかぶって記念撮影。
知る人ぞ知る、富山発の味噌「雪ちゃんの日本海味噌」のイメージキャラクターになれそうな可愛らしさでした。

最終日は、昔ながらの臼を使っての蕎麦挽きと、とち餅つき体験です。
臼をゆっくりと回しながら、黒い殻のついたそばの実の中から真っ白な粉が出てくるまで挽いていきます。

ついせっかちに回してしまいそうになるのですが、ここは気長にゆっくり回すのがポイント。昔から女性の仕事だったそうです。

そして、とち餅つき。

とちの実ともち米を蒸したものを、これまた杵と臼を使ってぺったんぺったん、とついていきます。とちの実は栗の実を小さくしたようなビジュアルで、アクが強く下処理が必要です。出来上がったとち餅も、それ自体では苦味ばしった大人の味なのですが、これにあんこやきな粉、大根おろしなどをかけていただくと、これが絶品! 何ともクセになる味わいで、絵本「モチモチの木」では、このとち餅、「ほっぺたが落っこちるほどうまい」と表現されていました。

昼食は、この挽いたそば粉で作ったそばがき汁と、とち餅。

あっという間の3日間。
3月に開催した五箇山冬の塾でしたが、参加者の方からは「もっと五箇山の魅力を伝えていきたい」との感想をいただきました。この塾をきっかけに、五箇山のファンになっていただけたようです。

願わくば、今後も五箇山に通っていただき、五箇山ファンをもっと増やしながら、そして、五箇山への移住者を一人でも増やすことができたら。そんな思いで2021年の五箇山なぎ畑も参加者を募集しています。

興味を持たれた方は県内、県外、問わずどうぞお申込みくださいね。