「農林漁業体験におけるリスクマネジメント研修会」2/7開催されました!

日ごろ、私たちの周りに潜んでいる様々なリスク。
この研修では、農泊や自然体験活動などの受け入れ側、イベント主催者等を対象に、事故防止のための対策、意識改革、リスク対策を学んでいただきます。

眠っていた危機管理への意識を目覚めさせるためにも、年に一度は、受けていただきたいこの研修。
講師は昨年もお世話になった、新潟経営大学の観光経営学部観光経営学科、出口高靖先生。
民間ご出身、ビジネスの最前線で活躍されてきた実務家教員です。

講義は、最近の事故事例、傾向などを学びつつ、リスクマネジメントの必要性を認識し、後半は、実際に開催された具体的なイベント事例をもとに、そこからリスクを洗い出すWS形式で行います。

ここからは、先生のお話をもとにポイントだけまとめて行きます。

リスクマネジメントが最も遅れている世界
▷大学/病院
病院では誰がなぜ亡くなったかを公開していない。本来可視化するべき。


最近の事故事例
▷着ぐるみによる熱中症で死亡
▷アシナガバチに刺されアナフィラキシーで死亡

転倒災害
▷仕事中に転倒して4日以上仕事を休むひとは年間2万6000人。労働災害では最も多い。65歳以上では室内転倒が最も多く、その原因はスリッパ。

誤って食べてしまう事例
▷毒キノコ「ツキヨタケ」を食用の「ヒラタケ」と間違って食べて食中毒に
▷水仙の葉っぱ(有毒)とニラの食べ間違え

アレルギー食品表示推奨品目に「アーモンド」が追加(2019年9月~)
▷特定原材料7品目

卵/乳/小麦/そば/落花生/えび/かに

▷表示が推奨されている原材料(21品目)
アーモンド/あわび/いか/いくら/さけ/さば/牛肉/鶏肉/豚肉/大豆/ごま/まつたけ/やまいも/オレンジ/キウイフルーツ/もも/りんご/くるみ/ゼラチン/バナナ/カシューナッツ

ちなみに、「アーモンドと落花生の違い」、ってご存知でしょうか。アーモンドはナッツ類、落花生は豆類に分類されます。
一瞬、考えてしまいますよね。

リスクマネジメントの必要性
・リスクには組織として「必要な資源(時間)」を投入して取り組むこと
▷何か事故が起きた場合、団体の「信用性」を失う。

ボランティア活動こそ、リスクマネジメントは必要!(NPOでも任意団体でもリスクマネジメントは必要!社会的責任)

リスクマネジメントの手法
リスクの洗い出し ▷ 見える化 ▷ 共有(マニュアル化)

留意すべき点

・リスクは隠れている
・リスクは繰り返す
・リスクは変化する

子どもの行動特性について
1.子どもは大人の「予測しない行動をする」ことを前提として安全対策を行う
2.子どもに対する注意はその都度、行う。事前に注意を与えるだけでは足りない。なぜなら、子どもは遊びに夢中になるなどして大人の注意を忘れるから。
3.子どもへの注意は、「危ないから」でなく「なぜ危ないのか、を説明して注意する」。

下の2枚の写真から、危険箇所に○をつける。○印をつけた箇所で起きる事故を想定する。
例)指導者の話を聞かず、下をむいている子ども ▷ 指導者は子どもの興味をひき話し方を意識する必要。


さまざまな事故事例
*子ども会のハイキング(小学生30名、引率11名)に参加して川遊びをしていた男児(9歳)が下流15mの深みにはまって溺死
*小学生の遠足で、昼食後、公園内を走って遊んでいた女児が崖から転落、死亡した事件

死亡事例からみた指導のポイント
1)集合させて点呼を取る

2)遊ぶ範囲の説明する (どこからどこまで行っていいか、危険箇所の説明)
3)指導者間で役割分担を決める(子どもたちを見守る引率者は、全員が同じ方向を見ていてはダメ、エリアを分けて監視する)
4)活動終了時にも点呼をとる ▷「人数を数える、に始まり、人数数える、に終わる」
 

下見の重要性
1)下見とは「危険箇所の把握」
2)必ず「下見」をする
3)フィールドの周辺も下見をする!

後半:WS「事例をもとにリスクの洗い出しとその予防策を作る」

足羽根山の竹林整備事業を事例に、リスクの洗い出し(発見)とリスクマップ作成、その対応策を作る、という作業。

ふせんに、考えられるリスクを書き出します。
「危険を伴う作業内容なので、50名募集は多すぎるのでは?」「まず冒頭に作業の主旨説明などが要る」といった意見や、山中でのスタッフの監視態勢が重要、携帯の電波が通じるのか確認、など考えられる様々なリスクとその対応策が話合われました。


上の図の通り、模造紙を4分割し、起こる確率、起こった場合の危険衝撃度を軸に、付箋を貼っていきます。
完成したリスクマップを各班ごとに発表し、共有します。

参加者からは「洗い出しの大切さがわかった」「リスクマネジメントをし過ぎることはないと分かった」などの感想が寄せられました。

出口先生からは「こうした研修に参加する人は、往々にして事故は起こらないもの。参加しない人ほど、要注意なんです」というリアリティある言葉が寄せられました。体験において、「何も起きないこと」がベストですが、いつも、リスクは潜んでいるからこそ、可能な限り、その「芽」を潰しておく。
そんな日ごろからの意識が、「無事」に「事故や怪我なく」体験を終了するために大切なことです。