第3回 とやまを元気にする「地域おこし協力隊研修」~十日町視察編~開催されました!

2019年度、全4回開催した富山県の地域おこし協力隊を対象にした研修。
すっかり時間が経ってしまいましたが、その第3回が、昨年10月30日~31日、新潟県十日町池谷集落で行われました。
2日間を振り返りつつ、ポイントだけまとめてご紹介します。

今回の研修をファシリテートしてくださったのは、ご自身も協力隊出身、卒業後も同じ池谷集落で、地域おこしを生業とする多田朋孔(ともよし)さん。NPO法人 地域おこしの理事・事務局長を務めています。

そして、池谷集落の皆さん。

宿泊場所は、多田さんが事務局長を務めるNPO法人「地域おこし」の拠点である小学校の廃校、池谷分校。
分校内を案内していただきながら

ちなみに、今回、お部屋では寝袋で寝るのですが、10月最終週は、夜になると既に寒くなるので、寝袋は2枚使い、電気毛布も必須で。

その後、集落を案内していただきました。
わずかな斜面に広がる棚田。
ここで生まれるのが美味しい魚沼産コシヒカリ「山清水米」(やましみずまい)です。

まずは、2019年に完成したお米の乾燥施設「ライスセンター」へ。ここ数年、池谷集落では、農家さんのリタイアが相次ぎ、NPO地域おこしが耕作する面積が年々増え、それに伴い、お米の保存場所も大きなスペースが必要になったそうです。また、農家さんの高齢化により、お米を運ぶにも苦労するように。そんな事情もあって、この先を見越して作られたこの施設。2年ほど前から準備、資金繰りをして実現した悲願の施設です。


続いて、集会所「実るいけだん」へ。ユニークな名前がついているのは、この建物が大塚商会の創業者、大塚実さんの寄付により完成したものだからだそうです。


写真は、2015年に作られた、住民みんなで意見を出し合った「3年後の池谷」を模造紙にまとめたもの。

絵の中には、当時、目標に挙げていた「ライスセンター」のイラストも。
集落では、2010年に「5年後を考える会」を行い、5年経った2015年に「3年後を考える会」を行い、8年の間にたくさんのビジョンを現実の形にしてきました。

こうしたワークショップが「集落の意識の変化」につながったそうです。
夢を口に出したり、目に見える化する、それを集落で共有する、ということの大切さ、そしてリアルな実現性を感じますよね。

池谷分校に戻り、初日は、池谷分校で代表理事、山本浩さんのお話。

まず、「NPO地域おこし」の活動について。

山本さん自身は入山集落の出身(平成元年に入山は廃村になった)。
2004年(平成16年)に起きた中越地震で、入山に住んでいた一人の画家の働きかけで、JENを通じて震災ボランティアが訪れるようになる。
地域住民の「集落を存続させたい」という思いが高まり、地域おこし活動を行うように。限界集落だった池谷集落は、多田さんファミリーなどの移住者を迎え、「限界」を見事脱出。現在はNPOとして、地域おこしにまつわる視察・講演・研修会などを行いながら、池谷・入山の棚田で育った魚沼産コシヒカリ「山清水米(やましみずまい)」を生産・販売するなど、集落の存続、十日町市内の中山間地域の活性化、ひいては全国の過疎地を元気づける活動に挑戦されています。

山本さんの集落への熱い思いと、縁あってつながった人々とのエネルギーが、震災で一度は消えかけそうにあった池谷集落を復活させたお話には、お聞きしていて胸が熱くなるものがありました。活動の原動力になったのは、やはり、「危機感と必死」というキーワード。

今後、地域おこし協力隊の採用については、移住者をドラフト会議で指名する「ドラフト制度」のように、「地域側」が、ほしいと思った「協力隊志望者」を指名する手法をしたい、とのお話も飛び出しました。

続いては、4名の十日町市協力隊OB・OGとの意見交換会。
向かって左から、井比 晃さん、小山友誉(ともたか)さん、高木千歩さん、高橋美佐子さん。

簡単に4名のご紹介を。
写真下、ドラム缶風呂で気持ちよさそうなのが、井比 晃さん。30歳で、十日町市水沢地区に協力隊として赴任。任期中にNPO法人を立ち上げ、コワーキングスペース兼農家民宿、着地型観光の旅行会社を立ち上げる。

同じく下、黄色いバナナボートのようなものを背負っているのが、小山友誉(ともたか)さん。2010年6月に地域おこし協力隊として十日町市に移住。現在は、スノーシュー、ラフティング、トレッキングなどアウトドアの体験ガイドと、地域の人がガイドをする里山体験のコーディネートを行う。


続いては、女子チーム。
妻有ビールのブースにいるのが高木千歩さん。両親が十日町市出身。2011年11月から地域おこし協力隊として十日町市の飛渡地区で活動。仲間4人で地産地消型ビアレストランをオープン。2017年妻有ビール株式会社を設立。

そして、右側、サングラスの女性が高橋美佐子さん。2013年、Uターンして、地域おこし協力隊として十日町市の飛渡地区で活動。農家民宿「茅屋や」女将。ジビエ肉の加工所を作り販売も行っている。

プロフィールを聞いているだけで、何やら面白そうな皆さんですよね。

テーマはやはり「田舎で稼ぐことの大変さ」に話題は集中しました。
「一つの生業だけでなく、いくつかを組み合わせている」
「起業することは誰にでもできても、それを継続することが大変」
「クラウドファンディングでの資金集めのコツ」なども上がりました。

起業された皆さんが話されていたことの中でも印象的だったのは
「起業してから食べられるまで3~5年かかった。ツアーを作って販売しても、収入になるのはタイムラグがある。たくさんの数をこなすより、クオリティの高い商品を買ってもらいたい、と思っている」。

「今はこうして、皆さんに講師としてお話していますが、明日の自分はどうなっているか分からない身」というのも、組織や会社に縛られない、自由を選んだ選択と引き換えの「覚悟」を感じたお言葉でした。

活発に盛り上がった交換会から、夜はジビエを囲んで、高木さんの妻有ビールをいただきながらの懇親会です。


地ビール特有の重さ、クセもあまり感じられず、飲み口の爽やかさ、まろやかさ、でもしっかりとしたコクもあって、女性にもウケがよく大人気。
次々とサーバーからお代わりをいただく人が続出しました。そしてイノシシ鍋!


車の運転や、帰宅時間を気にせず、心ゆくまで話に花が咲くのもまた、宿泊型研修の良さですね。
長い夜は更けていきました。

そして、研修2日目。
この日は多田さんが講師を務めてくださるビジネスモデル・デザイナー認定講座 「ビジネスモデル発想 基礎講座」です。

協力隊の任期終了後は、起業を考える隊員もいるので、発想からお金を生み出すまでの、キャッシュポイントを生み出す「型」を学ぶ講義です。


簡単なワークも含めながら、質問や意見も活発にかわされたこの講座。

講座が終わった後は、みんなで作ったカレーでランチ。

ネギやにんじんなど、カレーに使う野菜は、畑で収穫します。

ご飯は窯で炊く本格派です。
みんなで作ったカレーの美味しいこと。お代わりする人、続出の美味しさでした。

池谷分校の前で多田さんを囲んでパシャリ。


あっという間の2日間。
参加者の皆さんからは「任期後の生業の話を聞けたのが良かった」
「今回、講師をしてくださった多田さんに、数ヶ月後、どういったアクションを起こしたか報告する場があると、研修の継続性やブラッシュアップにつながって良いと思う」

といった声もいただきました。

多田さん、そして、NPO地域おこしの皆さま、協力隊OB・OGの皆さん、2日間にわたってありがとうございました!
今後とも、引き続き、富山県、そして、富山の地域おこし協力隊をどうぞよろしくお願いいたします!