伝統文化とダイナミックな自然を体感する立山塾、10/25~27開催されました!

今年の冬は暖冬ですが、酷暑、大雨など、異常気象が「普通」になってきたこの頃。
2019年は、10月12日に直撃した大型台風12号による影響で、大長谷を舞台にした「ながたん塾」が、帰農塾はじまって以来の不開催というハプニングに見舞われました。

台風により、一部の区間で運転を見合わせていた北陸新幹線。立山塾が開催された初日、10月25日。この日、待ちに待った、東京ー金沢間で晴れて運転が再開されたのでした(3か月前のことですが、既に遠い記憶・・・)

参加者は東京、埼玉からの関東勢。

初日は称名滝見学でしたが、雨天のため、急遽、最終日のプログラム、立山博物館見学を先に行いました。
この立山博物館、設計したのは、ご存知、建築家の磯崎新さん。

磯崎さん、2019年3月、「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞に選ばれたスゴイお方。ロサンゼルス現代美術館、北九州市立美術館、水戸美術館、群馬県のハラミュージアムアーク、県立ぐんま天文台など、国内外で100以上もの建築物を手がけられました。



頂上がピラミッド風でどこかミステリアスな雰囲気の立山博物館。
に入ると、天井に向かって階段がスパイラル状に伸びてゆく開放感ある構造です。

3階は「ブナ林の森」を再現した展示物で、立山の自然、断層などの地質を学べます。参加者の皆さんは、ブナの「根っこ」の展示にハマった模様。


2階に降りると、「立山信仰の世界」と題して、立山開山、立山の地獄、女人救済の儀式など、立山信仰について分かりやすく知ることができます。ここで見れる貴重なお宝が「銅錫杖頭(しゃくじょうとう)」。修行僧が使う杖、錫杖(しゃくじょう)の頭部です。明治40年、参謀本部陸地測量部員が剣岳頂上に到達した際、山頂で発見されたもので、これによって、剣岳は古代からすでに修験者によって登頂されていたことが判明したのだそう。映画「剱岳 点の記」をご覧になった方なら、間違いなく興奮されるはず。


続いて、立山博物館近くの「遙望館」へ。

3年に一度、開催されている宗教的儀式「布橋灌頂会(ぬのばし・かんじょうえ)」が行われた「うば堂」の地に建つ遙望館は、体験型映像ホールとして、立山信仰を知ることのできる映像が2本上映されています。

作品は、「新立山曼荼羅絵図」と、立山の自然を紹介している「立山1990」の2本。

特に「新立山曼荼羅絵図」は、地獄に堕ちてゆく様がなんともシュールかつ、面白い映像で、かなり「攻め」ています。ナレーションの岸田今日子さんのおどろおどろしい声が臨場感たっぷり。どんな臨場感あふれる映像かは、その目でお確かめアレ。


映像が終了するとスクリーンが上がり、視界が「あの世」から「この世」に戻ります。窓の向こう、はるか前方に拝めるのが立山連峰。立山信仰の「精神」を疑似体験した後、クライマックスを再現する試みなんだとか。

続いて一行は、昨年もお世話になった、立山町でゲストハウスを営む坂口家へ。今回の宿泊先です。
坂口家には可愛いポニーちゃんが二匹います。手前中央で丸メガネの男性が坂口さん。可愛いお嬢ちゃんとステキな奥様も一緒にパチリ。

夜はグリーンパーク吉峰で評判の美人の湯にのんびり浸かって、地域の食材を使った夕食をいただきながら、初日の夜は更けていきました。

2日目は、越中瀬戸焼の作品と陶芸体験が楽しめる「陶農館」へ。この日は、登り窯の火入れ神事が行われていて、瀬戸焼の先生方も、早朝から火の温度を上げるため窯につきっきり。「かなくれ会」のお一人、加藤先生(写真左、オレンジのつなぎを着た男性)に、今回の作業の目的、説明などをお聞きします。

続いて、無事に作業が終わりますように、と窯にお神酒をお供えして、一人ひとり、窯に向かって手を合わせます。

薪をくべて、火の温度をどんどん上げていきます。皆さんのチームワークが光る作業。

 
続いて、一行は「池田城ウォーク」へ。池田城は1567(永禄10)年頃、戦国武将の寺嶋職定(もとさだ)が築いたお城で、職定は池田城に拠って上杉軍と戦うも、敢えなく鎮圧された歴史があります。標高375メートルの山頂に本丸を置き、敵から攻められないように空堀(からぼり)や竪堀などを周囲に巡らせています。城好きな人にはたまらないはず。ほぼそのまま残っている遺構は、町史跡に指定されています。

この日、池田城の城跡を歩く町のイベントが行われており、塾生たちも参加させていただきました。当たり前ですが、「山城」ですから、簡単に敵に攻められるような場所には建っていません。

道中、はしごやロープを伝って登ったり、なかなかのスリリングな山歩きになりました。


128名の参加者と馬、柴犬が池田城を目指した今回。馬とのふれあいなど、子どもも楽しめる工夫がされていました。
予定していた「のろし上げ」は、タイミングが合わなかったとのこと(残念!)。

この企画の立ち上げの一人である、立山町地域おこし協力隊の斎藤 滋さん。息も絶え絶えの山城ウォークの最中に、拡声器を手に話してくださった解説がお見事で(聞くと、歴史や戦国武将に非常に精通されているそう)、じっくり腰を据えて解説を聞いてみたくなりました。


続いて、和紙職人、川原隆邦さんの和紙工房へ。
和紙を作るのに欠かせない原料、とろろあおい。川原さんは原料から育てています。今回は塾生、スタッフ総出で、畑から抜く作業をお手伝い。株によっては、根がしっかりしているため、引っこ抜くのも一苦労。


黙々と作業に汗を流し、すべて抜き終わりました。皆さん、いい表情です(写真下、一番右側が川原さん)。


川原さんの工房での体験は、何度聞いても素晴らしいのですが、最大の魅力は、和紙の原料に触れるところから紙漉きまで、一連の流れを丁寧に解説してくださるところ。

2日目の夜は、川原さんがお住まいの集落、虫谷にあるゲストハウスで移住者との交流を兼ねた夕食会。

大阪からご家族で移住された川端里枝さんという料理上手な女性(漫才の掛け合いのような、テンポのよい話しっぷりもお見事!)が腕をふるってくれたお料理たち。目にも華やかで参加者の皆さんからも歓喜の声が上がりました。手間暇もかかる手作りこんにゃくは、市販のこんにゃくとは全く違って噛みごたえ、弾力ある食感がクセになる美味しさ。
夕食後は、川原さんご指導のもと、護符つくり。

続く最終日、この日は称名滝の見学ですが、朝から雨が降り、あいにくのお天気です。
それでも、傘をさしつつ現地まで向かうと、滝に着いたほんの数分だけ、見事に雨がやみました。


落差日本一の瀑布として知られる称名滝ですが、その落差は350m。東京タワーが333mですから、それを凌ぐ迫力です。今回、参加者のアンケートを見ても、一番、満足度の高かったプログラムが称名滝の見学でした。

続いて、一行は立山信仰の郷、芦峅寺(あしくらじ)へ。

ここにある「立山芦峅ふるさと交流センター」内にある「まんだら食堂」で、郷土料理をいただきます。
朱塗りの御膳に盛られた精進料理の数々。

名物つぼ煮(写真右下)は、「つぼ椀」と呼ばれるふた付きの朱塗りのお椀に盛られたことが、その名の由来。つぼ煮の主役はコゴミとよばれる山菜で、天日干しした後、戻したコゴミと、サトイモ、ニンジンなどを昆布のお出汁で煮たもの。家庭によって味付けも異なるのだとか。さらに、よもぎをふんだんに使った「焼き付け」、小さなじゃがいもを甘辛く炒めた「かっつる」など、たくさんの小鉢が並びます。
どれも「大人好み」のクセになる味わいですよ。

これにて、3日間の立山塾は終了です。

参加者の方からは、「最初は『移住』なんて思ってもいなかったけれど、3日間を通して立山町の魅力に触れ、少し、移住を考えてしまいました」という嬉しいコメントも。

閉講式が終わった後、一行は立山町の名物コンビニ「立山サンダーバード」へ立ち寄り、皆さんはユニークなサンドイッチのラインアップに、おおいに感動されたとか?!(写真はちょっと古いサインでゴメンなさい)


かなり攻めてる「おでんサンドイッチ」(←個人的には、これ、好みです!)
島塾長をはじめ、今回も尽力くださった受け入れ側の皆さん、本当に3日間、ありがとうございました。

2020年度の立山塾にも乞うご期待くださいね!