2019「とやま農山漁村インターンシップin平」実施報告

南砺市で今年度より始まった「小規模多機能自治」。
「小規模多機能自治」とは、簡単に言えば ”地域の住人が主体的に市政に参加し、協働で地域づくりに取り組む”制度のことです。
県内でも少子高齢化や空き家の増加が顕著な平地域では、これを機に平地域協議会を発足させ、福祉やイベント等の
様々な地域活動に熱心に取り組んできました。
その事務局を担うお二人が今年の世話役となり、参加者と一緒になってインターンシップを行いました。

今年のテーマは
『「五箇山和紙の里」道の駅たいらを含む平地域の資源や特産品を活かした活性化プランを考える』です。

▽8/26(月) インターンシップ1日目

無事に到着した男性5名、女性6名、計11名の参加者達。
初日はオリエンテーションからの開始です。

ここで登場したのが、金沢大学地域連携センター准教授の蜂屋先生。
今年のインターンシップのアドバイザーとして、オリエンテーションと中間発表時に意見をくださいます。

まずは隣の人と2人1組になっての「自己紹介」ならぬ「他己紹介」。
5分相手のことを聞き取り、その人の代わりに他の参加者に紹介を行います。

 

 

 

 

 

次に、事前に割り振っていたグループとなり、知恵の出し合いと協力による「A4用紙だけでいかに高いものを作れるか」競争!

 

 

 

 

 

道具は何も使わず、紙はペラペラです。
これが初の協力作業とあって、皆緊張しながらもグループワークとしてよい時間となりました。

そして、平地域が含まれる五箇山といえば民謡です。
ある説では、五箇山にある民謡の数は百数十種類に及ぶのだとか。
時を経て現在、その全てを謡える人はもうおらず、ほんの一握りの方のみその一部を全て謡えるのだそうですが、
素晴らしいことに、地域に唯一ある高校「南砺平高等学校」では『郷土芸能部』が設立され、次世代に引き継ぐための模索が始まっています。

 

 

 

 

 

そんな南砺平高等学校・郷土芸能部の民謡DVDも鑑賞し、いざ相倉集落の見学へ。

見学の際のガイドは昨年もお世話になった「相倉合掌造り集落保存財団」の中島さん。
ご自宅前で合掌作りの役割と住む人々の意識についてお話いただきました。

 

 

 

 

 

 

何もないようで、生活に必要なものは全て自分たちで用意できる要素がある五箇山。
特産品である「五箇山豆腐」や「ぼべら(かぼちゃ)」「五箇山和紙」は積雪の多い五箇山だからこそ
守られてきた知恵と工夫の賜物です。

見学終了後は今回の宿泊所でもある空き家にて交流バーベキューです。
準備から片づけまで地域の方々に教わりながら一緒に行い、美味しい楽しい一時となりました。

 

 

 

 

 

▽8/27(火)インターンシップ2日目

朝から視察が行われました。
中心となるのは「和紙の里・道の駅たいら」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のテーマには、この施設をいかに活用できるか、また人を呼び込めるのかという想いが込められています。
和紙工芸館での和紙作り体験後、行政センター長への聞き取りの中でこの道の駅の現状と、それに対しての
地域の考えをしっかり聞かせていただきました。

 

 

 

 

 

 

道の駅の施設名に「和紙の里」と入っている以上、和紙についてはさらにしっかり学ばなくてはいけません。
昨年同様、和紙については「東中江和紙加工生産組合」の組合長である宮本さんにもお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

地域の中で「和紙」がどれだけ重要な位置にあるのか理解した後は、和紙の製造工程についても
身体を使って学びます。

道の駅が管理している楮畑で、自分の身長より高い「楮」を相手に芽かき作業のスタートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は楮について注意点等お話いただき、あとはひたすら作業となりましたが
適度に休憩をとりながら道の駅の石本泉さんのお助けもいただきながら約2時間の作業はあっという間に
終了となりました。

昨年も好評だった「ゆー楽」での温泉を満喫し、この日は終了です。

▽8/28(水)インターンシップ3日目

これまでの視察で見えてきた地域の課題や興味あるモノ・コトから考えられる地域活性化策を
午後の中間発表時間までにまとめます。

まだまだ調査が必要だという班は時間ギリギリまであちこちを飛び回り、何とか全員が蜂屋先生にお見せできる
までまとめることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【中間発表内容】

A班:道の駅を拠点としたスタンプラリー、和紙灯籠、民謡衣装着付け体験、庄川峡屋形船ツアー

B班:身近にある薬草入足湯の設置

C班:特産品を使用し、和紙で装飾した「道の駅弁」販売、特産品でファーストフード作り
   五箇山異文化(日本文化、都会とは違う生活文化)交流

中間発表には地域を代表して平地域づくり協議会のお二方に加え、平行政センターの水口センター長にも
同席いただき、それぞれからアドバイスいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして参加者と地域の見方・考え方・アイデアが交わることにより、より具体的でおもしろい発想に
近づけられるのがこの事業のいいところです。
また、参加者も全く違う大学・学部・学年が集まってきているので、本当に様々な意見が出てきます。
意見を集約させることが難しい反面、なんとかみんなの意見のいいところを1つにまとめようと
奮闘するこの時間は、きっと今後の学生生活において、また、就職してからも役立つのではと思います。

中間発表を聞いた蜂屋先生からは「なんとも学生的な視点×地域資源の形がどの班もおもしろい。
無理そうと諦めず、ぜひ最後の発表までその内容の良さを活かしつつ可能性を高めながら頑張ってください」
とコメントいただくことができ、また1つみんなの自信となりました。

▽8/29(木)インターンシップ4日目

昨日の中間発表での意見を受け、よりよい提案が地域にできるようにと各班が朝から大忙し。

「道の駅に来る人達の目的は和紙?世界遺産?」
「合掌集落に来た人たちは、どこから来て、次はどこに行くんだろう?」
「外国人観光客の人達は和紙のどんな部分に興味をもっているんだろう?」

次から次へと湧き出てくる疑問を解決するべく、多くの人にインタビューを始めたからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集約できた意見を参考に案を練り直したら、最終発表用にまとめます。

 

 

 

 

 

 

「地域の方によりわかりやすく伝わるように」と、PCでお弁当のデザインを書き出す学生がいたり、
自分たちの考えた販売用ドリンクを実際に飲んでもらおう!と大量生産する学生がいたり、
みんなの技と頑張りには感心させられっぱなしです。

 

 

 

 

 

 

▽8/30(金)インターンシップ5日目

午後の発表会に備え、最後まで念入りに発表の打ち合わせを行います。
発表会の会場は丸山荘。道の駅近くにある、何十畳もある広間が魅力的な施設です。
道の駅で働く方々にもぜひとも聞いてもらいたいため、開始を18:00~と少し遅めに設定しました。

そしていよいよ発表の時間。
会場には予想より多くの方々が集まり、皆さん熱心に発表を聞いてくださいました。

 

 

 

 

 

 

【道の駅たいらを中心とした地域活性化案】

A班: ①五箇山の四季を感じる日帰りカヤック・・・歴史背景や地元の想いを形に
   ②民謡衣装・着物の貸し出し・・・観光客向けに
   ③和紙を活用した念仏道場スタンプラリー・・・五箇山ならではのイベントとして  
   ④和紙灯籠の設置・イベント開催・・・特産品をもっとアピール
   ⑤五箇山の山資源を活用したアスレチック建設・・・適齢期である地場産樹木の活用

B班: ①道の駅に足湯設置・・・身近な薬草活用×眺望のよい道の駅のデッキの有効活用
   ②ここだけグルメの販売・・・地域で販売している畑のソーセージやどくだみの有効活用
                 (どくだミルクティー・五箇山フランクフルト)
   ③合掌造り体験コーナー・・・生活様式の理解、滞在時間の延長
                 (ミニチュア合掌造りの屋根に気軽に茅葺き体験ができる)
   ④リトリート誘致・・・閉店してしまた「渓流荘」の再利用案、癒やしを目的に

C班: 地域の特産品を活用した「道の駅弁当」販売
         ①「五箇山あご落とし(あごが落ちるほど美味しいという意味の方言)弁当」
    どこかでゆっくり落ち着いて五箇山の四季の食材を堪能する形
   ②「わしの寿司」
    ミョウガやキュウリ、ナス、五箇山豆腐でヘルシーに手軽に食べられる形
          →掛け紙やお品書き、割り箸・爪楊枝入れ等に和紙の利用が可能。
     合掌造りや民謡といった地元の良さをパッケージに採用。
     地域食材を活用し、地域の四季の楽しみを発信。
           地域の料理上手なお母さんたちに協力をいただき、道の駅食事処の負担軽減。

発表を終え、地元の方々からは

「自分たちも道の駅は”食”が弱いと思っていたところ。地元の特産品を使用した様々なメニューや
最終的な販売の形まで考えていただいて本当にありがたい。ぜひ参考にしたい。」

「実は地元の方でも庄川で船が出せないかという案が出ていたことがあった。長年生きていると、
実現の可能性よりも、その手前にある苦労等を考え、諦めてしまう傾向にある。それを今回、
皆さんの発表を聞いて反省した。地元の良さを伝えていくために、少しずつでも前向きに検討したい。」

といった意見があり、会場はとてもよい雰囲気に包まれていました。

そんな流れのまま、交流会に突入!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発表会を無事に終え緊張から開放された参加者のみんなは、
平地域の 美味しい食とお酒 × おもしろく優しい人達 × 伝統文化 の虜になった様子。

 

 

 

 

 

 

最後までみんなが笑顔で話の尽きない時間もあっという間に終わり、平での最後の夜は更けていきました。

▽8/31(土)インターンシップ6日目

発表会も終わり、お世話になった施設の片付けから始めた最終日。
発表会で仲良くなった地元の方がお見送りに来てくださったりする中で、早くも解散の時間となりました。
せっかく五箇山に来たからと白川郷まで足をのばす参加者、
発表に関する調査で知った、近くにある人気の施設に立ち寄りたいと言う参加者、
それぞれが初の五箇山・富山を楽しんで最終日を終え、今年度のインターンシップは終了です。

帰り際、みんなが「冬の五箇山にも来てみたい!」「またどこかで再会しよう!」と別れを惜しんでいた姿が
とても印象的でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

これを機に、富山だけでなく、各地に興味をもって足を運んでくれることを願っています!