7/29 「地域資源の活用」と「効果的な情報発信」をテーマに地域おこし協力隊研修を開催しました!

本年度、第二回目となる地域おこし協力隊研修。今回は、地域資源の活用と、効果的な情報発信をテーマに開催しました。協力隊、行政職員など29名の参加者を迎え、午前の講座~ランチ懇親会を挟み、午後の講座まで、一日がかりで行われました。

今回のテーマは、1回目に開催した研修のアンケートで、多くの協力隊から「開催してほしいテーマ」として挙げられたもの。

午前の「地域資源」についての講義は、石川県七尾市で七尾街づくりセンター株式会社で、移住コンシェルジュとして活躍する太田殖之(のぶゆき)さん。

午後は、ADKクリエイティブ・ワンで広告制作にかかわるクリエイティブディレクター、細川万理さん、

富山県の地域密着型情報サイト「富山の遊び場!」代表、金子奈央さん、

2名の講師が「情報発信」をテーマにお話くださりました。

第一部:地域資源の活用について 講師:太田殖之氏

東京出身。グラフィックデザイン、webデザインなどを経て、ウェブシステムや地域活性化プロジェクトを担当。
2013年、37歳で子育てを機に、奥様の実家である石川へ移住した太田さん。
株・ぶなの森(地域づくりプランナー)、(一社)能登定住・交流機構(事務局長)にて、能登地域の移住支援・雇用創出に尽力されてきました。
2015年になると、移住熱の高まりから、全国の各市町村が移住相談窓口を設置するようになりますが、「公平・公正の行政だけでは、移住希望者のニーズに対応できない。移住希望者に寄り添っていない」と感じ、民間との連携を提案。
能登町、穴水町、加賀市などいくつもの市で、移住に関する協議会の立ち上げにかかわります。
2017年には、地域活性化を目的とした会社「おやゆびカンパニー」を設立、古民家体験型カフェ「ろくでなし」&ゲストハウス「B&B45]を運営するなど、ワクワクするようなビジネスを仕掛けられています。

以下、太田さんの講演から、ポイントだけをピックアップ。

(1)講義

移住促進を行ううえで大切なこと

誰のための移住支援か?を考える → 地域側にとってプラスになる移住支援を行う。

・14地区へのヒアリングの結果した、わかったこと。
住民が残したいものは → 「祭り」「暮らし(景観)」「学校」
移住者に望むことは → 「祭りへの参加」「地域活動への参加」「防犯・福祉活動への協力」
理想の移住者は → 「積極的に地域にかかわってくれる若者」「お客さんはいらない」

・求める人を明確化 → 誰でも来てください、ではない。地域が求めるのは「即戦力」。
そのうえで、「移住の心得7か条」を作成。
→ 「移住の目的を明確にする」「仕事はやりがいで選ぶ」「移住にあたって100万円の資金を用意する」などを掲げ、そこに共感してくれる人に来てもらうようにした。

「集落の教科書」作成
高階地区に移住を希望する人に向けた、風習やしきたりをまとめた「教科書」。地域によって冠婚葬祭のしきたりも違えば、年間にかかる町会費も違う。地域住民にとっても、隣集落のしきたりや風習を知るきっかけになり、後世に残る「記録」にもなる。

活動のポイント
①資源がなければ、皆で作る。そして一人で動かない、チームを作る!
②意識を変える
③地域外の人材を活用する、一人で活動せず、巻き込む!→空き家改修を金沢工業大学の学生(建築科)を巻き込んで行う
④地域のメディアを活用する → イベントを企画した際は取材、記事にしてもらう。自分たちの活動を知ってもらう。
⑤次のステップにつながる成果物を残す →「集落の教科書」

まとめ
地域資源は目に見えるものとは限らない。また、活動の中で見えてくる「課題」も「資源」になりうる。課題を考える中で、ビジネスが見えてくるよう意識する。今はお金を集める手段はいろいろ。クラウドファンディングもある。お金を融資する銀行もワクワクするアイデアに融資したいと考えている。

(2)ワークショップ
講義のあとは、参加者のワークショップ「身近な地域資源から、生業のタネを考える」をテーマに行いました。付箋に、思いつく限り、自分の住む地域に埋もれている「地域資源」を挙げてもらい、そこから、ビジネスとして成り立つのではないか?と思うテーマを絞って、テーブルごとに発表してもらいました。ここで大事なのは、実現可能かどうか別にして、頭を柔軟に保つ、こと。意外と身近な「困りごと」にも、ビジネスチャンスはあるものです。

午前の部、終了-ランチ懇親会ー

ランチ懇親会では、県内野菜や豆など、ヘルシー素材をふんだんに使った食事がいただける「FAMS deli」さんにて、今回の研修のために作ってもらった特製弁当を食べながら、参加者同士が交流を楽しみました。
できるだけ、全員が顔をあわせて会話できるように、ワールドカフェ形式で行い、1テーブル15分の一本勝負!15分経つと、参加者はお弁当を手にテーブルを移動して、新たなメンバーとの会話で盛り上がりました。中央の男性が、午前の部で講師を務めてくださった太田さん。

肝心のお弁当の写真を取りそこねてしまいました。限りなく、当日のお弁当に近いイメージは、こんな感じです。



第二部:効果的な情報発信について 

午後の講座は、テーマが「情報発信」。今や、誰もがブログやSNSなどを使って自由に発信する時代において、いかに多くの方の目に留まる発信をするか、はきっと誰もが知りたい内容ではないでしょうか? 今回は、広告制作の第一線で活躍するクリエイター、地域の密着した情報サイトを運営するライター、お二人の方を講師に、それぞれの「効果的な発信」についてお聞きしました。

(1)講師:細川万理氏(ADKクリエイティブ・ワン クリエイティブディレクター)


富山県上市町生まれ。2002ADK入社。マーケティング担当を経て、2007年からクリエイティブ担当。コピーライター、CMプランナー。最近の作品に全日本広告連盟(全広連)富山大会の防災特集の新聞広告、シチズンwicca Webムービーなど、様々な広告制作にかかわる。

以下、講義のポイントだけをピックアップ。

 

「記憶に残る幕の内弁当」はない! ←これは名言ですよね(私も聞きながら、ハタと膝を打ちました)
・情報量が多すぎる
・個性がなく画一的            
・話題を生む違和感・意外性がない 
                 → これらは、どれも「記憶に残らない!」

例)富山といえば、「ますの寿司」。これは細川さんによると、最強のテーマ。その理由は以下。

・分かりやすい
・1メッセージ
・シンプル
・地域性がユニーク
・笹に包まれてケーキみたいにカットできる
・驚きや違和感のある仕掛け

→ 情報や表現方法を絞り込み、勇気を持って振り切った発信をすることが大事!


■印象に残る行政のプロモーション動画

昨今、行政のPR動画も話題になった作品がいろいろ。中でも、


1)インパクトのあるネタで話題化
インドじゃないよ、印西市」 

「大分の温泉+遊園地=湯園地」

→ 色々と町の魅力を沢山盛り込みたいところ、ひとつのメッセージに絞った点が、見る側の印象に残り、話題性を集めた例。

2)自虐ネタで話題化
「おしい!広島」  

「島根は日本の領土」
→ ネガなところをポジな魅力に。ベースには愛が必要。マイナスな要素を「魅力」に変える。富山もマイナー県として打ち出す?

まとめ
・メッセージは分かりやすい1メッセージで 
・驚きや違和感のある仕掛け          
・地域ならではのユニークさ
→ これらがあると、話題を呼ぶ、誰かにシェアしたくなる!

第二部:効果的な情報発信について

(2)講師:金子奈央 氏(「富山の遊び場!」代表)

静岡生まれ。20113月東日本大震災の数日前に氷見へ移住。移住したものの、富山に馴染めない時期も経て、「富山を好きになる努力をしていない」「受け身だった自分」に気づき、様々な富山情報を調べるうちに情報サイト「富山の遊び場」にたどり着く。現在、同サイト代表。

富山に来たものの、最初は「何もない」「情報もない」と、馴染めない時期があった、という金子さん。意外にも、マイナスからのスタートだった、というお話が意外でした。

情報発信するうえで気をつけていること
→ その情報が有益であるかどうか
→ 日常にからめた情報を提供をする(子どもと遊ぶ、次のデートはどこで? 女子会ができる場所?)

・思い入れのあるコンテンツはどっち?
高岡大和の閉店情報(富山県民にとってはかなり身近な重要ネタ) VS ラーメンネタ

・情報は、広さ深さ距離感

※ホタルイカ打ち上げシーズンのネタはサイトでも人気ネタ。広さ(全国的に知られている)、深さ(富山県民もよく捕獲にいく)、距離感(実際の様子を写真に載せる)がある。

 

SNSの個性の違いについて

ターゲットの違い(富山の遊び場!の場合)
FB・・・県外の年配がターゲット
Instagram・・・若い女性(富山の飲食店やデートスポットなどを紹介)
Twitter・・・富山のニュースなどを紹介 ※「とやまくん」というTwitterが人気(行政に対してもズバッと言うあたりが。とやまくんにリツイートされると多くの人に拡散される影響力の強いインフルエンサー)

投稿する時間にも気をつける
SNSの投稿時間・・・20~20時頃を意識して投稿、土日もアクセスが多い

発信でのコツ
*毎日、必ず投稿すること 
*行政や企業よりも、個人の「インフルエンサー」のクチコミ情報が一般の消費者へ力を持つ時代。クチコミが大事!

*「富山の遊び場!」は、「プロ」っぽくないからファンが生まれる?!
文章・・・読み手がわかりやすいよう、専門用語は使わない
写真・・・ちょいヘタが親近感がわく
内容・・・自らの足を使って手間をかけた記事を書く

参加者の皆さんのこの真剣な眼差したるや!


インターネットを使用するメリット
*広告宣伝費を抑えられる
*オピニオンリーダーになれる
*顧客に嫌われない(無理な営業は逆効果)
*顧客とのコミュニケーションが生まれる
*ターゲットが絞り込める
*インターネットは属性や効果を強く出せる

富山県民の特性を知る
*県民は富山のことにあまり興味がない??
*ただし、県内の「日常を絡めた発信」は必要としている
 → 住民に寄り添った情報発信が大切

県外向け情報発信について
富山県内の観光スポットランキングなど、県外の方がおそらく「知りたいであろう」情報をまとめる。その中に自分が個人的に宣伝したいネタも入れる → 検索エンジンよりも多くの人の目にとまる可能性が広がる!

まとめ
情報発信は「受け手にとって有益な情報であるか、どうか?」が大切

今回のテーマ、地域資源、情報発信、どちらも、地域おこしにかかわる方だけでなく、行政の方々も熱心に聞いておられる姿が印象的でした。特に、「Instagram」の効果的な発信について、多くの参加者の関心をひいていたようです。

次回の協力隊研修は、10月30(水)ー31日(木)、1泊2日で、第1回目の講師、多田朋孔さんのフィールドである、新潟県十日町市池谷集落への視察研修を予定しています。協力隊を卒業後、池谷を舞台に、「NPO地域おこし」で精力的に活動する多田さんと、そのお仲間のお話は、この先、協力隊の任期終了後の生業を考えるうえで、きっと何らかのヒントをもらえるはずです。