2018「とやま農山漁村インターンシップin東中江」実施報告(前編)

とやま農山漁村インターンシップ、初めての受け入れとなる東中江地域。
今回は五箇山を代表する「和紙」と「観光」に焦点をあててプログラムを組みました。


 

 

 

 

こちらの宮本さんは悠久紙(五箇山和紙)を普及させたい想いから個人的にも
十数年にわたってインターンシップの受け入れ実績をお持ちです。
また、宮本さんが作る和紙はこだわり抜いて作られるため、
桂離宮や京都御所、古文書などの重要文化財の修復や修繕に使用されています。

そんな悠久紙の普及と五箇山地域全体の活性化が目標ということで、
「五箇山元気な里山協議会」の事務局をされている浦田さんと一緒に
世話役を受け入れてくださいました。

 

 

 

五箇山にはご家族で移住された浦田さん。
よそ者の目線からだからこそ気づく「五箇山のいいところ」をもっと
たくさんの人にも知ってもらいたいという想いから
日頃の活動も積極的に頑張られています。

そんな世話役の方々と一緒に過ごす1週間。

テーマは
『五箇山の和紙を学ぶと同時に、様々な観光資源を活かした着地型観光プログラムを考える』です。

▽9/1(土)インターンシップ1日目

 

 

 

 

 

世界遺産バスで集合場所に集まった5人ならぬ4人。
実は台風の影響で一人は少し遅れてくることに・・・。

少しこじんまりとしたスタートでしたが、終始和やかな雰囲気で
開講式を終え、早速、宮本さんのご自宅で悠久紙について勉強開始です。

 

 

 

 

年間を通して行われる和紙作り。
夏には夏の、冬には冬の、それぞれの季節だからこそできる大切な作業があります。
そんな作業内容と、和紙に対する想いを一通り説明した後は、これまた早速、
和紙の原料である楮(こうぞ:クワ科。樹皮が和紙の原料となる)の畑へ。

 

 

 

 

作業するために必要な道具の扱い方、作業中の注意、楮の役割、今年の畑の状況等々、
一つ一つ実際に見せながら、作業しながら、丁寧に説明してくださいます。
5人は楮の畑を見るのが初めてで、もちろん作業も初めて。
今年は猛暑のせいで虫の大量発生もあり、畑作業は見たことのない大きな蛾の幼虫との戦いでもありました。

 

 

 

 

でも、畑から見える景色は広々としていて、作業が大変な分、終了後はものすごい爽快感です。

 

 

 

 

今日は30分ほど作業をして、近くの温泉「ゆ~楽」で汗を流して終了です。

9/2(日)インターンシップ2日目

 

 

 

 

今日からは全員揃ってのスタート!
この日の午前中は五箇山に2つある合掌造り集落の内の一つ、【菅沼集落】でフィールドワークです。
高台にある駐車場で現地ガイドの荒井さんと合流。
現状と課題について話しながら集落へ降りていきます。

 

 

 

 

その途中、「これなんだと思う?」と荒井さん。

正解は、合掌集落に欠かせない「コガヤ」です。
五箇山は一昔前までは”陸の孤島”と呼ばれていたほどの立地にあり、
地域内循環により、生活に必要なものを地域一帯でまかなってきた経緯があります。
このコガヤも以前行われた屋根の葺き替え時に出てきた古いカヤで、 
畑に敷いてマルチがわりに野菜を育てるのに使うのだとか。
新しく見えて、数十年前のものであることに一同ビックリ!

こういった循環型生活で合掌造りを守り続けている暮らしそのものが評価されての
「世界遺産」であることを知っている人はきっとまだ少ないのでは・・?

 

 

 

 

集落内を見て歩きながら、五箇山名産の「ぼべら(方言でかぼちゃの意)」や歴史文化について一通り
説明を受けた後、今度はスライドで地域の暮らしを守るために、今、荒井さん達が力を入れている
活動についても説明をいただけました。

 

 

 

 

△合掌の森プロジェクト:http://www.gassyou-mori.jp/project

荒井さんは、五箇山生まれのUターン者。
一旦地域を出たからこそ見えてきた「お金に代えられない大切なモノ」を守るため、ここ菅沼集落に住みながら
合掌の森プロジェクトを立ち上げ、その運営にも携わっています。

菅沼集落の取り組みに関して少々深いところまで話を聞いた後は、
南砺市文化・世界遺産課(!)の此尾(このお)課長より、篭渡集落の成り立ちや五箇山の現状について
改めてお話を聞かせていただきました。

此尾課長自身が篭渡集落の生まれで現在もお住まいであることから、より詳細なお話まで
聞くことができました。話が盛り上がり、ついつい予定時間を過ぎてしまうほどです。

 

 

 

 

昼食後は再び、楮畑での作業になります。
まだ1日しか経っていないのに、昨日よりもたくましく見えるみんなの姿。
色々な話を聞いて刺激を受けたからでしょうか・・・


 

 

 

 

 

9/3(月)インターンシップ 3日目

このインターンシップの目的の一つ、「新たな着地型観光プログラムを考える」ために、
今日明日は浦田さんがガイドとなって学生達を案内するモニターツアーを行います。
その前に、学生達の活動の中心地である東中江とは別に和紙を生産している下梨の和紙作業現場を
視察し、その後東中江地域の道の駅内にある和紙の里でも現場の視察を行います。

 

 

 

 

東中江にある和紙の里では昔から変わらない和紙づくりの様子をモニターで確認でき、
また、職員さんから和紙についての現状と課題に加えて、道の駅に来るお客様の統計資料についての
説明も話をしていただきました。
なんと、現在ではこの道の駅に来る75%のお客様は外国の方々だそう!
日本では生活様式が変化したこともあり和紙についての興味が薄れていっているのに対し、
外国の方々にはその変わらない歴史や文化から出来上がる和紙への興味が高まっているのだとか。

 

 

 

 

場所を変え、今度の案内役は武蔵野美術大学を卒業し、五箇山和紙に惚れ込んで移住までした
山口県出身の石本さん。
石本さんは若者の感性から伝統ある和紙に革新をもたらした方で、移住後に結婚し、
五箇山の過疎高齢化に歯止めをかけてくれている貴重な存在でもあります。

△石本さんが起ち上げた地域ブランド「FIVE」:http://www.five-gokayama.jp/

五箇山の和紙は世界にも通用すると作品から証明している石本さん。
宮本さんとはまた違った視点から和紙についての理解を深められた時間でした。

 

 

 

 

昼食後、宮本さんのご自宅兼工房にてモニタリングツアーの始まりです。
富山県内をフィールドにエコツアーを行っている「エコロの森」の代表・森田さんが
監修し、学生5名にはツアー参加者の目線からの意見を求められます。

 

 

 

 

導入として和紙についての説明を手作りの紙芝居で行ったり、
ミニ体験として地元のお母さん達から直々に楮のゴミ取りを教えていただいたり、

 

 

 

 

すぐ近くの念仏道場で濡らして窓に貼るだけのオーナメント作りを行ったり。
(五箇山で作られる和紙はその行程から楮の繊維の丈夫さが保たれているため、乾いてもまた濡らせば何度でも使えるそうです。)

和紙作りの大変さを伝えつつも作られた和紙のおもしろさを体感してもらい、モニターツアーは無事終了。
アンケートの意見を基に、再度関係者間で見直していくのだそう。

そして今日も午後は楮畑での作業を行い、地元の温泉で汗を流して1日が終了です。

 

 

 

 

 

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後半へ続きます!