とやま帰農塾【立山塾】の報告
投稿日:2016年10月25日 | 最終更新日:2016年11月28日
カテゴリー: とやま帰農塾
雄大な立山連峰のふもとで過ごす2泊3日。
10月21日~23日、中新川郡立山町にてとやま帰農塾「立山塾」が開催されました。
▼10/21(金)
拠点となる”グリーンパーク吉峰”での開講式から「立山塾」がスタートです。
まずは、島塾長より一週間の行程についてお話いただきました。
開講式の後は、すぐお隣りにある富山県の森林研究所へ。
こちらでは県が開発し普及を進めている”無花粉スギ”の植樹を行いました。
植樹完了!
すくすくと育ってほしいですね。
続いて訪れたのは、県内を代表する観光名所のひとつ「称名滝」。
落差350mは日本一です。
立山塾道中のご案内は、㈱たてやまの西垣内さん。
雲がかかるあいにくの天候ではありましたが、
幻想的な効果をもたらし、これはこれで美しい紅葉の風景をみることができました。
夜は千垣地域の公民館にて地域の方との交流会が開催されました。
地元の野菜などを使用した料理はどれも美味しく、
地域の方からは様々なお話を伺うことができました。
皆が目を見張ったのは、色とりどりの鮮やかな”かんもち”!
この町の名物です。
食後は、立山町地域おこし協力隊の松田好弘さんによる”立山曼荼羅”の絵解きです。
真剣に聞き入る一行。立山信仰を知ることで、この先の立山滞在がより奥深いものになります。
▼10/22(土)
二日目。
朝一番で訪れたのはクリーンセンターの展望台です。
360度のパノラマを楽しむことができるこちらからは、
立山連峰や常願寺川等周辺の地形、散居村風景などを見渡すことができます。
続いて訪れたのは、新瀬戸地域にある「越中陶の里 陶農館」。
まずは、陶農館の山田さんを講師に”手びねり”の陶芸体験。
この地域で取れた越中瀬戸粘土を使用して、お皿づくりに挑戦です。
乾燥はひび割れのもと。ということで、時間との勝負でもあります。
皆さんそれぞれ、こだわりのあるお皿ができあがりました!
この日は陶農館にある”登り窯”の、年に一度の火入れの日。
夜通し、薪をくべ続け、次第に温度を上げていくそうです。
越中瀬戸焼陶芸家の加藤聡明先生に、越中瀬戸焼の特徴や、この登り窯について
解説していただきました。
ちなみに、見学した際の窯の温度は579度。
場所によってはすでに1000度を超えているとか。
この後も夜通し薪がくべられ続けたそうです。
午後からは、立山町を拠点とする和紙職人の川原隆邦さんの畑へ。
こちらでは、和紙の原料となるコウゾとトロロアオイを収穫させていただきました。
コウゾはどんな条件の悪い場所でも栽培可能、と川原さん。
この場所も工場跡地の悪条件なのだそうですが、コウゾはすくすくと育っている様子。
こちらはトロロアオイです。
収穫作業を終えた一行は、虫谷地域の古民家を改装したという川原さんの工房へ。
コウゾを叩き、水で洗うと独特の感触になります。
こちらのねばねばが、トロロアオイです。
こうして材料が揃ったところで、
川原さんのご指導による”紙漉き”開始です。
漉いた後は慎重に紙を重ねます。
あとできれいに剥がすために、この作業は重要なのだそう。
全員分重ねたら、水分を抜くためにしばらく時間をおきます。
全員行程を終え、ひと段落。
川原さんがこれまでに作製された作品の一部をみせていただきました。
おおおお……!!
美しく多様な和紙の数々に、感嘆の声があがっていました。
虫谷地域に新しくできたゲストハウスに移動した一行。
こちらでは、漆職人で最近この地域に移住されたという荻野さんがご登場。
まずは取り組みについてお話を伺いました。
続いて、荻野さんによるワークショップ。
お箸の漆塗り体験です。
何度も塗りを重ねて磨いていくという漆塗りの工程。
黙々と集中して取り組むこの作業に、皆さん心地よさを感じている様子でした。
さあ、続いて川原さんの工房に戻り、和紙づくりの仕上げに挑戦。
重なった紙の束から一枚だけをめくる緊張感!
せっかくの和紙も破れたりすると台無しです。
そういった意味で、この仕上げの行程がもっとも重要なのだそうです。
自分だけの和紙が無事完成!
もちろん多少のシワも”味”ですよ!
▼10/23(日)
立山塾最終日。
まずは、御山神社でお参りした一行。
すぐお隣の立山博物館へ移動します。
立山博物館では、学芸員さんの解説で立山の自然や文化、信仰等について学ぶことができます。
もちろん、初日の松田さんのお話で予習はバッチリの帰農塾一行。
より深いところまで理解が進みます。
展示をひととおり見学した後は、外に出て、”閻魔堂”へ。
立山(昔は女人禁制)に入山できなかった女性のための儀式「布橋灌頂会」では、
ここがスタート地点となります。
布橋灌頂会の道を踏みしめていきます。
やがて布橋に到達。
美しい朱色が背景に映えますね。
なお、次回の「布橋灌頂会」は来年開催を予定しているそうです。
芦峅寺の”ふるさと交流館”へ移動した一行。
こちらではまず、この地域の名物である”やきつけ”づくりを体験します。
多めの油で焼くのも特徴。
よもぎとお味噌の良いにおいが香ります。
続いて、再び川原さんにご登場いただき、前日に仕上げた和紙を使用して、
「護符づくり」を行いました。
川原さんの版画を使用した護符が完成!
家に飾っておきたいですね!
最後のお食事は、交流館の精進料理をいただきます。
つぼ煮ややきつけなど、伝統の料理、地域の食材を使用した料理に舌鼓。
その後の閉講式をもって立山塾は終了です!
立山町の皆様ありがとうございました!
参加者の皆さん、また是非立山に戻ってきてくださいね!