こころが緩む、異空間に迷い込んだかのような紅茶専門店「アナザホリデー」

エリア
富山・八尾エリア
目的
地産地消のレストラン・カフェ・農家レストランなど

かつて北前船の寄港地としても栄えた港町、富山市岩瀬。当時の廻船問屋や、明治期に建てられた家屋が残り、街歩きも楽しめるエリアです。そんな住宅地の一角にあるお店が紅茶の店「アナザホリデー」。

店名を訳すと「もうひとつの休日」。そこには「自分をリセットできる特別な時間を過ごせてもらえたら」との店主の思いが込められています。

お店を営むのは入善町ご出身のご主人、徳光孝司(たかし)さんと大阪出身の妻、典子さん。ケーキは孝司さん、接客は典子さん、というご夫婦のユニットです。孝司さんは、「いつか喫茶店をやりたい」という思いを胸に秘めつつも、土木の高校を卒業後、いったんは大阪の建設業界へ就職。「昭和気質なので、喫茶やパティシエは男性が就く仕事ではないと思っていたそうです」と典子さん。

写真は、孝司さんと典子さん。2年前、紅茶の聖地であるスリランカへ、茶園と紅茶工場の視察がてらの旅にでかけた際、空港でのショット。まるで新婚さんのように初々しいお二人。

 

孝司さんは、「石の上にも3年」と、建設業界で3年間、現場監督などを務めた後、喫茶の業界を学ぶべく、洋菓子店へ転職。京都にある老舗洋菓子店でケーキやパン作りを修業した後、当時、大阪堂島にあった銘店「ティーハウスムジカ」へ転職。コーヒーの香りは好きだけど、飲むのは苦手だったという孝司さん。「ムジカは、戦後、紅茶を日本に根付かせたお店。ゆったり落ち着いていて、文化の香りがするんです。紅茶は、『気取らず、平和な日常』というイメージもあって、コーヒーでなく、紅茶という選択になったようです」と典子さん。

日本でスリランカの紅茶を提供した最初のお店、とも言われる「ティーハウスムジカ」。料理やワインが美味しいカフェ・レストランも併設しており、そちらのレストランで働いていたのが典子さん。「ムジカのオーナーは、日本に紅茶を広めた第一人者。オーナーのお父様はクラシック評論家でもあり、音楽喫茶のような雰囲気。それでいて、OLさんやおじさんまで、幅広い客層の方々が訪れる気取らないお店でした。アナザホリデーも、同じように間口の広い、いろいろな年代のお客様に来ていただきたいと思っています」。

 

大阪で経験を積まれた後、ご主人の地元である富山に戻り、富山市内で自分たちのお店を開こうと、様々な物件を探し、出会ったのがこの岩瀬地区。空き家だった物件を手に入れ、自分たちで出来ることはDIYし、お店がオープンしたのが2001年。「壁や床を剥がすのは自分たちでやりました。ペンキを塗ったり、DIYは好きだし得意なんです」と典子さん。

そんな手作り感あふれる店内には、スリランカ、インド、様々なテイストの雑貨が並び、書棚にはこだわりの漫画や書籍も置かれた、めくるめく魅惑のワールド。「本も内装も二人の趣味です。ゆるさ、怪しさ、いろんなものがごちゃまぜになった、そんなミックス・テイストを楽しんでいただければ」。

「竜宮城に来たみたい、時間の感覚が狂う、と言うお客さんもいれば、靴を脱いでイスに正座するなど、すっかりご自宅で寛がれているようなお客さんもいらっしゃいます」との言葉通り、不思議な異空間に迷い込んだような、それでいて、心身ともに緩んでいくのが感じられるアナザワールドならぬ「アナザホリデー」。

典子さんは、カメラマンとしての顔も持っており、講師を務める「女子カメラ部」では「典子部長」の名前で親しまれています。普通のチャイも典子部長の手にかかればこの通り、何ともニュアンスのあるショットに。

紅茶はインド、スリランカをはじめ、国産のものまで幅広く取り揃え、地元のバタバタ茶などもご用意。

定番のスコーン、モンブランなど季節のケーキから、サンドイッチ、キーマ・カレーなどのお食事メニューも人気です。孝司さんが手作りするジャムも評判。

憧れのアフタヌーンティーセットは女性ならずともテンションが上がりそうなエレガントさ。

 

「私にとって、コーヒーは何かを『さぁ、始めるぞ』、と戦闘態勢に切り替える時の飲み物。それに対し、紅茶は、心身ともに緩んでリラックスする、そんな平和な飲み物。お友達やご家族、お一人様でも、それぞれに『特別な時間』を過ごしてほしいですね」。

近年では、スマフォを片手に海外から訪れるお客様も増えているそう。「私自身、旅先でふらりと訪れたお店で美味しい紅茶を飲んだり、お店の方とちょっと言葉をかわしたりしたことが、一番印象に残っていたりします。またあの町に行きたいなぁ…とか。アナザホリデーも、そんな思い出の1コマになっていたら嬉しいです」

 

「もうひとつの休日」を味わいに、この週末は岩瀬へお出かけしてみては?

 

アナザホリデー