伝承料理でリピーターを増やす「農家レストラン大門」

エリア
砺波・五箇山エリア
目的
地産地消のレストラン・カフェ・農家レストランなど

120年以上の砺波地方の伝統家屋「アズマダチ」を改装したこちらの農家レストランは、北陸新幹線の開通と同じ2015年にオープン。すでに県内、県外の多くのリピーターに愛されているお店です。地元女性たちが丹精込めて手作りする地域に伝わる地産地消の伝承料理がいただけます。

 

女将の境嘉代子さんによると、空き家になっていたこの家屋を地区の区長さんをされていた境さんのご主人が買い取り、市の空き家対策事業の一環として、農家レストランにしたのが始まり。境さんを含む有志からスタートし、最終的には会社を設立、開業しました。

中学生の頃、祖母から教わった郷土料理がきっかけで料理が好きになった境さん。提供される伝承料理は、富山県ならではの「ゆべす」(べっこう)や「よごし」、それに各地に伝わる郷土料理のひとつ、小豆などを煮込んだ「いとこ煮」(写真下、右上)など、「報恩講」と呼ばれる仏事の際に出された料理が発展したものです。

「砺波産の玉ねぎを使って甘みを出し、昔から砺波平野で食べられてきた郷土料理を再現しています。ここだけでしか食べられない味です」と境さん。

お昼のメニューは、料理の品数によって、「恋茜」「白雪姫」「黄小町」と名付けられた3種類のお膳。砺波はチューリップの産地であることから、メニューには富山オリジナルチューリップの品種の名前がつけられています。

初めての方にもわかりやすく、一品一品にその由来や食材の説明など、コメントがつけられているのも嬉しい心遣いです。夜はお刺身などを含めた3種類の「となみの御膳」がいただけます。

お客さんは、県内はもちろん、金沢や名古屋、国外からも。「海外の方は日本酒がお好きな方にお越しいただいております。お料理も完食されるのでびっくりすることもあります」。

境さんは、伝承料理の保存、継承をすべく、様々なイベントで料理の作り方を教えるほか、旅行会社と組んで料理体験ツアーを行うなど伝承料理の体験メニューにも力を注ぎます。2017年には「人生の楽園」に紹介されたことで、放送後は予約の電話が鳴り止まず、対応に大わらわだったとのことです。

 

「農家レストラン大門」は、2017年、地産地消に貢献する活動が評価され、北陸農政局長賞を受賞。今後、さらなるステップアップを目指し、新たなメニューも試作中だそうです。

「厨房での調理はもちろん、フロアで接客するのも大好き」と話す境さん。お客様からお料理のアドバイスをもらうこともあります。「美味しかったよ、とお客様から言われた時は、その声を厨房にも届けています。よそのお店で食事をして、料理のヒントをもらったり、スタッフ同士、色々なメニューにチャレンジしてみたり。日々、修業です」。

 

今では、お客様が新たなお客様を紹介してくださるなど、口コミで人気が広がっています。「こちらの料理が食べたくなった」と突然、名古屋からかけつける常連さんもおられます。心のこもった伝承料理を楽しみにしていらっしゃるリピーターが増えているのも、納得の心意気です。

農家レストラン大門

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